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「堂々とこの家の主婦でいなさい」

もう妊婦でもなく産褥期もとっくに終わって、もうすぐ日菜穂は3か月。
それなのに、赤ちゃんに合わせて抱っこしたりゴロゴロしたり眠ったりする毎日。
ずっとダラダラ、ずっとグダグダ。
実は、何もすることがないのを、赤ちゃんに便乗して目を逸らしていた。

わたしは3人目の嫁としてこの家に入った。
入籍も引っ越しもなかなかしてもらえなかった。
前の女たちが全然気にならないか、って言ったら嘘になるけど、
それより、ここは彼の家だ、というのが抜けなかった。
あんたの自由にしていいよ、と言われてもできなかった。
遠慮、というのもあるし、来る前からの分の掃除は私の役目ではないと思っていた。
家政婦扱いされている気分に陥ることもあった。

でも、これから日菜穂がどんどん大きくなって、
日菜穂のごはん作るのも、日菜穂が目にするキッチンも、ここである。
日菜穂にとっては「お母さんがいるキッチン」なのだ。
日菜穂には、この家の過去は関係ない。

わたしが、やらなきゃいけない。だってもう、ここはわたしの場所だから。


「そのほうがご主人も落ち着くと思うのよ」

なかなかしてもらえなかった引っ越しだけど、引っ越しのその日に鍵を作ってくれた。
わたし用の箪笥を、まず買ってくれた。
家具や模様替えの話の中で、わたしには決められない、だってここはあなたの家だから、と言ったら、
今更何言ってるんだと吐き捨てられた。

そんなことを思い出す。


とにかく赤ちゃんと一緒に眠ってばかりいた毎日から、
自分に対する認識が、劇的に変わった。

わたしもこの家の主役だ。
日菜穂とわたしが心地よく毎日を過ごせる家、でなきゃいけない。

まずはテーブルをよけて、日菜穂が遊べるスペースを、部屋のど真ん中に作ることにした。
そして3日かけてキッチンを片付けた。
自分がやるべきことをやっていると、卑屈にならないでいられるようだ。
家政婦なんかじゃなくて、この家を回していくのだ。
部屋をきれいにして、日菜穂の場所を確保したら、
そうしたら日菜穂のもの編んでみたり、
お料理を作る生活に戻したり、
赤ちゃんサークルみたいなのに行ってみたり、
新しい生活を始めよう。

心が行き先を失っていたが、仲間である主婦の大先輩の言葉に、
こっちだよ、と手を引いてもらって、とりあえずスタート地点まで連れてきてもらった。
今日はホーマックに行って、窓掃除道具をそろえてきたから、
明日は晴れたら窓掃除。




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