蓮見圭一「水曜の朝、午前三時」より

人生は宝探しに似ている、とある人が書いている
掘り下げていくほどに様々なものが見つかるのだ


宝物である以上、そう簡単に見つけられるものではないかもしれない
でも、金塊はすぐそこに眠っているのかもしれない


－人間は選択して決意した瞬間に飛躍する



すでに人生の復習段階に入っているのかもしれない。それでも、宝探しをしていこう。そう決めた。

「白」エチュード

ヨーグルトの中に白玉萩の部屋

白桃を母にもらひて夜の道

どんぐりを守りし白山神社かな

白髪一本見つけて長き夜となりぬ

空高し白の車に替えた父

秋晴れ

秋晴れの何事もなく暮れてゆく

むこう

５メートルむこうのできごと金木犀

松茸

松茸を頭から喰う台所

赤岳阿弥陀岳

錦秋に香りそめたるタイカレー

コトコトとカレー煮えるや素十の忌

リーダーにリーダーのかほ空高し

粧ひし尾根ゆく大馬鹿小馬鹿たち

秋刀魚喰ふアフター赤岳阿弥陀岳

里

山おりて里は実りの稲の中

秋桜と稲穂の中に里のあり

遊び事

遊び事遊びつくして曼珠沙華

朝露

ジェルネイルして朝露をはじきゆく

月一つ抱き

壊れぬやう月一つ抱き秋に入る