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流されるままに。 呑んでいればご機嫌。
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穂高二度目にして、なんと今年は紅葉真っ只中の涸沢である。涸沢は3000Mを超える穂高の山々に囲まれた広いカール(2300M)である。西に奥穂高、奥穂から南へは前穂高への吊尾根、その先をずっと辿れば東の屏風岩まで、奥穂から北へは涸沢岳・北穂高と稜線が連なる。穂高の威容を見上げながら、谷と山腹は、高度によって、また一日毎に黄からオレンジ、赤へと濃くなってゆく。オレンジの頃も、真っ赤なのも、どちらも涸沢の紅葉として名高い。山に登る人間は一度は涸沢の紅葉を見たい思う。見ごろは例年ちょうど10月の連休頃で、その連休は半端ない数の人が涸沢に集まる。それでも広い涸沢は、そのたくさんの人を懐に抱えるのである。思い立って出かけたのは9月26日だった。まだ紅葉にはだいぶ早いはずの中途半端な土曜日、実は全然紅葉目当ではなかったのである。

日曜朝の上高地は人も少ない。上高地で人と語らうこともなく、おにぎりだけ食べて歩き始める。前夜、夜行バスの出発までの時間、ダンス部時代の先輩が呑んでいるお洒落な飲み屋に顔を出した。テントまで入っている65Lのザックはバス乗り場に置き捨てて、山の格好にサンダルをつっかけていた。一人は年が経つごとに親しくなる同性の先輩。他の二人は7年ぶりくらいに会う、学生時代もほとんどしゃべったことのなかった海外帰りの先輩と、同じくらい久しぶりの、ダンス部卒業後も同じ銀行で銀行員をやっていた因縁のある先輩だった。-7年ぶりに会うダンス部の、銀行の後輩のオンナは、どうしてしまったのか、驚いたことにどうやら山にはまっているらしい。。。わたしは「なぜか山にはまってしまった山好きなオンナ」だった。7年を経て会う先輩の前で、わたしはそのことを自覚した。わたしはこれから、一緒に呑んでいる先輩たちと別れ、一人テントを担いで穂高へ向かうのだ。自分の選択として穂高へ行くということが、何か一言発する度に、自分のものになっていった。「わたし」と「山に登ること」が、直接つながった瞬間だった。上高地から歩きだしたとき、あらためて、「わたし」と「山に登ること」が同じものであることを感じだ。穂高に向かって歩くことが、わたしにとって当然の道になっていた。
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