星月夜

星月夜とはこんなにも星ばかり

きんきんと星冷まじや星なれば

ひとつほどは走るのもあり星月夜

幾重にも幾重にも星空深し

この身体地球にあづけ星月夜

装ひて待て

雄々と装ひて待て駒ケ岳

深田久弥「日本百名山」の「甲斐駒ヶ岳」を読み、甲斐駒への憧れがどんどん高まる。
自分の無知を曝すようで恥ずかしいが、日本百名山は、単に山好きのおじさん、深田久弥さんが100の立派な、そして好きな山を選んだものだと思っていた。
確かにそうなのだが、深田久弥は作家。だけあって、この「日本百名山」という本は、一山一山、一つの「作品」として完成されている。百名山の目次にチェックをつけて消していく、という楽しみ方も勿論あるが、一目見てほれた山、を読み、文学作品として楽しみ、興味を深め、そして登ってきて、また読む。そういう楽しみ方もこの本ではできる！書き写したいフレーズに溢れている。

鳥兜

妄想は色あざやかなり鳥兜

ものがたり

ものがたりひとつ閉ぢたり秋北斗

会社で引っ越しをした。現場から管理部へ。

経理も現場で、という思いで親会社の管理部を出て、子会社の営業現場でやってきた。
いろいろな夢をこの会社で見させてもらった。
その間、人生で一番楽しい恋の季節と、その恋の破綻もあった。

私の人生のある物語が、ひとつ、終わった。

金木犀

煩ひをふとそらせれて金木犀

後の更衣

秋の服斜に構へたる頃は過ぎ

黒茶色グレー紫更衣

仲秋

仲秋や本気の月の月明り

山に恋

山霧にひときは甲斐の駒ケ岳


甲斐駒ケ岳。山に惚れたのは初めてである。

9/22甲府からﾀｸｼｰで広河原。広河原から早川尾根小屋。
16：30の夕食後、21：30頃まで宴会。
翌朝5:30ｽﾀｰﾄ。
左手に鳳凰三山、北岳を望みながら、ｱｻﾖ峰(2799m)へ。
鳳凰三山とはｵﾍﾞﾘｽｸを擁する地蔵岳、それに観音岳・薬師岳。
北岳は日本で富士山に次ぐ高い山。

目の前に甲斐駒のてっぺんが見えた。
が、鳳凰三山と北岳に気を取られ、特に感心もしなかった。
次にその姿を現したとき。
右手に摩利支天を従えた、その雄々しい姿！

その姿は、8時すぎにはもう雲の中へ。
惚れた山は、すぐにその姿を消したのだった。

もう一つのﾋﾟｰｸ、栗沢山で小休憩中、なんと、突如目の前に甲斐駒が現れた！
一瞬の再開。
私の恋に火がついた瞬間であった。

山小屋

さまざまな寝息のすき間夜半の秋

秋曉やきりりと山の水映る

バリへ行く人へ

月光に立ちて明日はバリの夜