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流されるままに。 呑んでいればご機嫌。
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真ん中に一本、道がある。道の両側が、右も左も、向こうの山の麓まで、テント場だ。道の脇はもうテントがいっぱいで、左に降りて、奥の方へと場所の品定めをする。こんな有名なテント場なのに、道を外れたら大きな石だらけで、歩くのも一苦労。テントは、板を借りて、その上に張る。

彼の1.5人用の黄色のテントは、雲取で一度入れてもらったことがある。雲取は、私にとっての初テント、初でっかいザック、初寝袋だった。幕営も片付けも、気付いたときには終わっていた。屋久島で使っていて、ようやく慣れたテントは、これではなかった。このテントを手伝うのは初めてだ。だからと言ってお客様でいるわけにもいかない。指示をくれるままに、不器用に手伝う。手伝っているのか邪魔しているのか。このテントも、張れるようにならなきゃ。

そうしている間も、山はすぐそこにある。
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涸沢はNHKで見たことがあった。山行記では必ず出てくる。ここから山へ登る人もいるし、岩へ登る人もいる。ここをベースキャンプにして、何日も何週間も、生活になってしまう人もいる。映像と文章からの知識がありながら、実感として全くイメージができない大キャンプ場。山へ登る人にとっては共通語、でも行ったことのない私にとっては夢物語のような、実感のない場所。それが涸沢だった。いつか、自分の目で見ることがあるんだろうか、いや、そこまで山にハマることはないだろう。そんなふうに思っていた。

すぐ前と左が穂高の山々。右は遠くに常念岳。
山に囲まれた広いカール。すでに色とりどりのテントが点在している。
涸沢ってこういうことか。

TVの中の、写真の中の、本の中のその涸沢に、意外に早く、今、立っている。全身で、涸沢の空気を吸う。
横尾に着いたとき、ちょうど雨が止んだ。

そして時間はちょうどお昼。

ラッキー。
観光地のお散歩を続けている。景色は全くない。前を歩く彼はふらふらしている。とても歩みの遅いわたしたち。人はみな抜かしてゆく。少なくとも抜かそうとする。彼がふらふらしているため、抜かすに抜かせないときがある。私は、知らない人のフリをする。
突然前を歩く彼が立ち止まる。何故こんなところで?眠ってるんだ・・・。

途中、やはりふらふらしている変な男性がいた。ふらふらしては、思い出したように猛スピードになる。

 絶対あの人は睡魔と闘っている。

そう彼は断言した。
予定外に雨、である。上高地のビジターセンターからしばらくは、普通の観光地である。一般観光客もいるし、道もお散歩コースだ。朝早いのと、雨なのと。周りは大きなザックを背負った人しかいない。そんな中、街用ブーツを履き、傘をさした女の子が4人。普通なら、彼女たちが普通である。たとえこの場所でも。なぜならここは上高地だから。ところが、そこでは、そのとき、私たち山族が一般で、彼女たちは残念ながら異色だった。せっかくの上高地への旅行が雨、というのも可哀想だが、憧景地の上高地まで来て、異様な山族の中で居心地の悪い思いをしていたのではないだろうか。最初の小屋まで、4人は来た。ザックを下ろし、外で売ってる冷やしりんごを見に行く。そのとき、こんな会話が聞こえてきた。

 傘取られないかなぁ。みんなレインコート着ているから大丈夫か。

オサレ傘、今はいりません。
さわやか信州号。サービスエリアをぶらぶらして、戻ってきた。今日は全く眠れない。バスに乗ろうかな、まだ時間あるなら外にいようかな、優柔不断をしていると、見たことのある人がバスの入り口をうろついている。バスを前から見、横から見、座席表を見ている。同行の彼は仕事疲れで爆睡していたので、休憩でサービスエリアに停まったけれど起こさなかった。起きたのね。そう思ったら、その人は、このバスは違うと判断したように、どこかへ走って行ってしまった。あれ、彼じゃなかったのかな。座席に戻ってみると、いない。やっぱりさっきのは彼だったのだ。迷子になってしまったのだ。しょうがないなぁ。大丈夫かしら。でも子供じゃないんだから。もう一度バスから降りて、バスの前にいてあげることにする。しばらくすると、バスに向かってやってくる男の子がいる。あ、戻ってきた。
穂高、そこはおよそ山登りをする人にとっては、一度は行ってみたい憧れの山のようだ。残念ながら私は、みんなが憧れる穂高への知識は皆無であった。雄大な穂高を見て、いつかはあそこへ、という経験もない。そんな私が穂高へ行くなんて罰当たりのような気もする。

一緒に行こう、と言っていた人とは恋人を解消した。「これは今年中に、一人で登らないといけないな」と腹を括った。単独山行の最終目標は、計画していたルートでの穂高だった。

人生は計画通りには行かないものだ・・・。良くも悪くも。

件の彼から穂高へ行こう、とお誘いが来る。9月13-15日の三連休、2泊キャンプで奥穂高を目指すことになった。


借りっぱなしの本にぬくもり読み始む



缶コーヒー熱し初星数へをり

初星と語りてメール一語ずつ



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