流されるままに。
呑んでいればご機嫌。
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淀川小屋まであと1時間!そう思ってなんとか頑張って歩いていた。同行者からも遅れをとり、だいぶ差がつきながらも一生懸命歩いていた。ちょうどそんなとき、前方から、人が来た。どうやら外国人のようだ。この時間に逆から来る?考え難い。どこまで行くのだろう。私たちは永田岳の下で確信犯的ビバークをし、それでも何時間もかけて来た。そこまででも、宮之浦岳を越えなければならない。その向こうの小屋、と言ったら新高塚小屋である。ここからは9時間。ありえない。ビバークできる場所。いや、ないだろう。一瞬にして疑問が頭を駆け巡る。
HELLO!どこまで行くの? 先頭の男性は筋肉のついたいい身体をしている。彼が後ろを振り返り、仲間に尋ねる。 What's the name of our inn? ISHIZUKA-GOYA. 後ろの女性が答える。 石塚小屋。地図を思い浮かべる。確か石塚小屋は、黒味岳の分岐から若干行った花之江河からの別ルート上にある。ここからだと、2時間くらいだろうか。なるほど。全く考えていないルートだったけれど、そこがあったか。 HELLO! すれ違う一人ひとりと挨拶する。ISHIZUKA-GOYA と答えた女性はタンクトップを着て、山歩きに馴れた様子だ。ちゃきちゃきとしっかりしている。最初の男性とこの女性、この二人を見て、彼らなら大丈夫、と安心する。自分達で行かれると判断しての行動だとわかる。日が落ちても、彼らならどうにする手段があるだろう。三番目の男性も、普通になんとかなりそうなスキンヘッドだった。妙に納得し、少し遅れている最後の一人と挨拶しようとした。 4人目の男性は、おでぶちゃんだった。息を切らせて、いかにも大変そうに歩いている。とても山登りをしている人とは思えない。最初の男女とは別の人種である。目を見張り、思わず言った。 頑張って! OH, THANK YOU! 休むチャンスとばかり足を止め、おなかをさすってみせる。 おでぶちゃんを抱えたあの一行が無事石塚小屋に着けることをひたすら祈る。
白髪一本抜いて師走のはじまれり
突然視界が開けた。
青い空。 緑の山。 降り注ぐ太陽の光。 大きな岩が太鼓岩。 太鼓岩に座る。 緑の山を見渡す。 大きい鉢にいるみたい。 緑色の大きな鉢。 その緑の鉢を地球という掌に載せ、眺めている大きな空。 掌の上にある緑の鉢、その端っこにやってきて、ちょこんと座っている私。 そんな私を、太陽は、面白そうに微笑んで見守っているのかもしれない。 飛べば飛べそうな気がしてくる。 木々の緑の絨毯が、きっとふんわり受け止めてくれる。 青い空の下、緑の山に囲まれて、魂はふわふわする。 やばいやばい。こんなところで飛んで大丈夫なわけがない。 あの山へ向かうのだ。 山に登るんだ。 やっとその実感が湧いてくる。 腹の底から、ふつふつとエネルギーが湧いてくる。
大根煮を挟んで男と女かな
屋久杉の元でまどろみ始めていると、別の集団の酒盛りが聞こえてくる。初対面の集まりのようで、自己紹介から始まっている。
どちらからですか? 東京です。 職場は? 246沿いです。 へぇ。どこだろう。私の職場は、前の事務所が南青山で、前の前の事務所が南平台。246に縁がある。ついつい聞き耳を立ててしまう。 246ってどの辺ですか? 南平台っていうところなんです。 へっ?南平台?なぜ南平台?そんなマニアックな。渋谷区でありながら住所に丁目もない地域。ここは屋久島の山の中、縄文杉の足元。こんなところで南平台なんていうマニアックな地名を聞くなんて。思わずコップを掴んでテントを這い出す私。 南平台、って聞こえてきたから来ちゃいました~。 じゃあ、ウイスキーでも。 あざーす。かんぱーい。
人の顔をとやかくいうべきではない。そんなことはわかっている。人の顔を見て笑う。それはとても失礼なことだ。その程度の常識は持っている大人のはずだ。しかし、やってしまった、人の顔を見ての大爆笑。
永田岳の麓で、夕食時、虫の襲撃を受けた。かゆさは蚊のようだが、もっと小さい小蝿のような虫。こいつが犯人らしい。可哀想なのは同行者。私は虫に狙われやすいはずなのだが、虫は完全に同行者を狙う。虫にも好かれるなんて羨ましい、とは珍しく襲撃を受けていない私が言えることである。長袖を着、フードを被っているので、出ているのは顔だけだ。その顔、しかも目や耳を狙ってくる。夕食を食べ、お酒を飲みながら、私はなんだか過去を延々と愚痴っていた。一生懸命聞いてくれていたが、ついに同行者が言う。「大学が嫌だったのはもういいからさ、この虫なんとかしてよ。」ごめん。これ以上愚痴り続けるところでした。早々にテントへ引揚げる。 翌日の夜は淀川小屋泊。 ここでも刺されたようだ。 さて、淀川小屋の朝。 眠れない一夜を過ごし、朝が始まる前に川へ下りる。川でまったりと時間を潰す。様々な思いが脳を巡る。同宿のカップルを見送り、2日前に縄文杉で出会った人と再会する。小屋に戻り、デッキで寛ぐ。さて、やっと起きてきた同行者。え? 虫に刺されて顔が腫れあがり、ぱんぱんに丸い。そして目の上をやられているため、目が開いていない。はっきりと別人である。様々な思いに捉われて寝不足なまま迎えた朝だったが、いろいろなことがどうでもよくなる。本当にどうでもよくなる。負の思考回路が明るくなる。人の顔を指さして大笑いする。ここまでの衝撃は滅多にない。 こんな顔だっけ? ここには鏡がない。女性としてあるまじきことだが、私も鏡を持っていなかった。同行者は、どんなに笑われても自分の顔を見ることができない。この素晴らしく面白い顔に心が晴れやかになったまま、気分良く朝飯を食べ、荷物を片付けて、バス停までの最後の行程を歩く。私はいろいろなことの腹いせに、彼の顔を笑い続けた。バス停に荷物を降ろし、座って寛ぐ。車道に反射鏡を発見した同行者が、早速笑われている顔を見に行く。彼は、自分の顔にかなりのショックを受けて戻ってきた。そしてもう一度反射鏡へ。。。そして叫ぶ。 わかった!誰かに似ていると思ったら朝青龍だ! デジカメが電池切れだったのが、返す返すも残念でならない。 山滴りてオトコの顔にある人生
永田岳!
その山頂に立つ。 その山頂に寝転がる。 その山頂で昼寝する。 雲涼しただ転寝の足の裏
屋久島の6月は、石楠花で有名らしい。私が訪れたのは7月の下旬で、夏真っ盛り。水と緑は豊富だが、花らしい花は見当たらない。確かに石楠花が多い。今から歩く、遙かな山へと続く一本道は、左右に石楠花が茂っている。遠くから見ていたら、石楠花の茂みから鹿が出てきて猿も出てきた。そしてまた茂みへと消えていった。そしてさっきその道を歩いていたら、すぐそこの石楠花の群生の間から、鹿が顔を出した。すぐそこに、こちらを見ている鹿と顔を見合わせる。満開の頃はさぞ楽しいだろうと想像しながら、花の終わった石楠花の道を歩く。
永田岳の山頂は、大きな岩でできている。つい少し前までは灼熱の太陽が降り注ぐばかりであったが、今は多少雲で翳るときもある。岩を向こう側にまわって、登りやすそうなところへ取り付く。そこに見つけた。手の届かない先に、岩にひっつくように、小さな花が一塊に咲いている。白い小さな花たち。私の知っている花であえて探せば、一番近いのは菫だろうか。今回の旅で、初めて出会った花。北側で涼しいのか、環境がそこだけ適しているのか。近くに他の花は、いや、同じ花も見当たらない。岩の側面だから、手に触れるほど近くに寄ることも、顔を近づけてじっくり見ることもできない。 隣の岩からデジカメで一枚。 近場の山に連れて行ってくれている仲間がいる。そのリーダーの一人に、花に詳しく山に詳しい人がいる。屋久島へ行った報告を兼ねて、花の写真を見せたい。そんなことを漠然と考えていた。やっと出会えた花。彼女に教えてもらおう。この花の名前を。あと一歩で頂上。 炎天の果て頂の岩静か |
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