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流されるままに。 呑んでいればご機嫌。
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夕陽の時間がゆっくりとやってくる。一組のカップルが、トイレの上に登って、日の入りを待っている。広い屋根の上、その建物がトイレではあるけれど、いい場所だ。さらに上のテント場から、彼らを見てほっこりとした気分になる。テント場からだと、夕日は右の方、カップルの先の遙か遠くのほうへ落ちる。カップルの夕日スポット、トイレの屋根に、だんだん人が集まってくる。三脚を構えたカメラマンも数名。ほかにワイワイがやがや。

今日は雲がある。遠い山の向こうに立ち上る雲の上で、沈む前の太陽が力強い光を放つ。白い雲と雲の黒い影で、雲が生き物のような迫力を持つ。

ふと左を見ると、白い満月がすでにある。太陽が健在な間は、月はまだ主役にはなれない。右に沈む太陽、左に登る月。「菜の花や月は東に日は西に」蕪村の有名な句を思い起こす。はっと気づく。この句は、満月でなければあり得ない。夕方昇る月は満月だからだ。満月は夕方昇るから、時期によっては、沈む太陽と登る月が東と西に同時に見えるのだ。菜の花の季節ではないけれど、私は今、その句のような一瞬に立ち会っているのだ。


  天秤のやうに入日と名月と


遠くの空がオレンジに染まる。太陽は、山の向こうの雲のさらに向こうの雲の中へ消えていく。雲は落ち着きを取り戻す。そして、月がその輝きを増していく。

そう、今日は仲秋の名月。
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