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屋久島一湊ビーチ。

とてもとても筆舌に尽くしがたい、屋久島縦走をした。
タイミングが合わず、恋人になりきれずに恋人を解消した年下の男の子と、屋久島に来ていた。
「別れ辛くなるから、屋久島はやめた方がいいんじゃない」私をふったとき、彼は言った。「大丈夫。屋久島は、行くよ」そう言い放って、断行した屋久島1週間の旅。前半の半分で、すでに第一目的の縦走-山-を終えていた。体力を心配し、本当にできるのか、でもこういう事情だから、もう二度と経験できないチャンスだから、もう二度と経験できない、というのは、屋久島経験者にたっぷり屋久島を味わわせてもらうこと、と、強烈に惹かれて行くところまで行かないと引くに引けなくてちょっと付き合った、けれどやっぱり恋人になりきれなかった人と旅をする、ということなのだけれど、そのチャンスをgetしたのだから、最高のコンディションで、最高にHAPPYに、過ごしたかった、でも、だからこそ、体力勝負の、想像を超える初縦走はプレッシャーだった。山に3泊。食糧全て担いでのテント泊。その縦走は終わった。無事に、素晴らしく、最高な印象で、終わった。あとは、ただただHAPPYに。すっごく惹かれて、絶対合ってて、でも彼が若すぎるというタイミングで、彼も私にまだまだ興味があって、でも自分の責任で付き合うことはできない、と判断していて、そんな間柄だったから、とにかく、今をHAPPYに。恋人になれないことなんて忘れて、タイミングが合わないなんて1週間には関係ない、ちょっとでも一緒にいられたことを、身体に刻みこむように。

浜ですでに2泊。この日、一日過ごすのは最後の日。尾の間温泉に浸かり、彼が3年前にテントを張っていた安房を散歩し、炎天にやられて安房を脱出、一湊の海を見ることにした。一湊はビーチで、海水浴場である。海を眺め、本当は、しっとりとした青春の気分に浸る予定だった。しばらく海を眺め、そして海の家チックなお店の椅子に座った。そこのおばちゃんがパッションフルーツをくれ、彼はいつものように、出会ったおばちゃんと会話を楽しみ始めた。私も旅先では誰にでも話しかけてしまう。そんなところがわたしたちは似ている。と感じていた、ところが。

私がおかしくなり始めたのは、この時だろうか、それとも海を見ているときだっただろうか。急に、私の心が翳りはじめた。楽しい幸せな半日を二人で過ごし、いまだ太陽が燦々と降り注いでいる、そんなとき。楽しいだけで終わらせたい、と体中で思っていた、そんなとき。私の心に忍び寄ってきた暗い影。。。なんでこの子は、こんなに明るいんだろう。それが最初だった。屋久島が終わったら、明日の夕方には、私と別れなければいけないのに。恋人同士のように仲良しで、友達同士のように楽しくて、それなのに明日が最後、屋久島が終わったら、もう他人にならなければいけないのに。なんでこの子は、こんなに明るいんだろう。

私の思考回路は、そこで折り曲げられた。恋人を解消するのは、了承済みなのだ。彼の言うことは、どんな困難な、恋人として淋しいことであっても、彼の言葉は、全部受け入れよう。そう決意して彼に会った日。言われた言葉が「付き合うのをやめましょう。」私はすべてを受け入れた。彼の言葉だったから。そして、彼の、その結論に至った経緯の思考回路は、それは違うよ、と言いたいところも、少し長く生きている人間からみてあったけれど、27歳の男の子が考えたこと、としては、頗る納得ができ、尊重してあげたいものだった。だから、私の思考回路が折り曲げられた。なんでこの子は、こんなに明るいんだろう。大好きなお父さんを、中学生で失っているのに、こんなに明るく、ポジティブに、そういう人生を、彼は自分の手で切り拓いた。そして「21歳からは全てラッキーなんだよね」と言い、全身で人生を楽しんでいる。すごいなあ。それに引き替え私は。恵まれているはずなのに、なんだかわだかまったままの学生時代を送り、20代前半で鬱になり、人生を嘆き、全くもったいない20代半ばを過ごした。20代後半はそれなりに自分の意志で、自分の足で納得いくよう生きてきたけれど、それは、過去の人生を嘆いたり、人生自体を嘆いたり、そんなことが根底にあって、結構「努力」でやってきたことだった。こんな明るく、楽しく考えることができたら、どんなに違った20代を送れただろう。私は、なんて詰まらないことに気を取られ、無駄な時間を送ってしまったのだろう。。。

彼は、沈みこんでいく私の前で、相変わらずにこやかで、私にも笑顔で同じように接し、そして、だからと言って、踏み込んではこなかった。

私の中で、別の考えが突如浮かんだ。これって、彼には関係ないよね。私が沈んでいっているのは、彼のせいじゃない。彼が私にひどいことをしたわけではなく、彼が私にひどいことを言ったわけではなく、ひどい環境に急変したわけでもなく、全くもって、私の脳が、勝手に考えたことなのだ。環境のせいにできない、一緒にいる人のせいにできない、私もさっきまで心地良かった、問題は私の脳、私の思考回路なんだ。翻って、彼の側になってみよう。さっきまで一緒にいて楽しかった。一緒に笑っていた。その女の子が、急に無口になり、笑わなくなる。楽しもうと思っていた旅が、楽しもうと思っていたこの日が、意味もわからず突然暗いものになる。自分が楽しんでいても、一緒にいる人が自分の足を暗い沼へ引きずり込んでいく。一緒にいたくない。楽しくない。なんで来たんだろう。この子の言うなりに屋久島まで来たのに、何でこんな嫌な思いをするんだろう。もういいや。別れてよかった。もう知らない。二度と会わなければいいだけだ。

一緒に来れたことが嬉しかった。一緒に来てくれたことを感謝していた。一緒にいるのは、想像をはるかに超えて楽しかった。それを全て、台無しにしようとしている、私の行動が。

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