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流されるままに。 呑んでいればご機嫌。
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縄文杉には夕方6時ごろ到着した。

縄文杉までは、一般の観光客もガイドをつけてよく行くコースだ。縄文杉見学ツアーは、一般的ではあるがかなりしんどい。なぜなら、一番短いコースでも、入り口から片道5時間はかかるからである。そして同じ道を、帰るためだけにまた5時間歩くことになる。日帰りの彼ら、彼女たちは、暗くなる前に戻るために、2時には縄文杉を出発しなければならない。それにひきかえ、こちらは縦走が目的である。このまま屋久杉を突っ切って、もっと奥へ、そしてもっと高いところへ向かうのだ。引き返す必要がない。夕方到着、それは人がすっかりいなくなった縄文杉とご対面、ということになる。

縄文杉の前に、人間はわたしと同行者だけであった。

縄文杉は樹齢3000~4000年とされ、一説には7200年と言われている。樹高25.3M、胸高周囲16.4M。観光客が根を踏みつけることから倒壊の危機となり、木の15M手前に展望デッキが作られている。立って眺め、座って眺め、寝ころんで眺める。

遙か太古の昔から、遙か永い時を、この杉は生きてきている。圧倒的な時間の流れの前に立ち尽くす。樹の息。神憑り的な空気。

 私は、本当にここにいるのだろうか
 本当にここまで、歩いてきたのだろうか
 同行者と私は、別のものなのだろうか
 小さな二つの存在は、もしかしたら同じものではないだろうか
 私はこの森が排除すべき他者なのだろうか
 魂は今この森に、一体化しているのだろうか
 そもそも私という存在はあるのだろうか

だんだんと暗くなってくる。ヘッドランプで縄文杉を照らす。真っ暗になり、わたしたちは縄文杉に守られて眠る。


夏の夜に集ふ木の神山の神

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