流されるままに。
呑んでいればご機嫌。
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宮之浦岳は標高1,936M。屋久島の最高峰であり、深田久弥の日本百名山の一つである。(因みに永田岳1,886M、黒味岳1,831M)
宮之浦岳はあんまりたいしたことないんだよね。 それなのに、3年前に来たことのある同行者は言う。同行者は宮之浦岳より永田岳派だった。永田岳は尖っていて、「山」という漢字の元となる象形文字を思い起こさせる。一方宮之浦岳は滑らかな、丸い印象の山だ。昨日と変わって、天気もあまりよくない。期待せずに宮之浦岳へと出発する。この行程の記憶が、もったいないくらい、ない。気がつくと、頂上だった。 ね、たいしたことないでしょ。 天気が悪く、永田岳さえ見えない。これでは良いも悪いもない。そうは言っても百名山。三角点の写真を撮ろう。すると何としたことだろう、三角点をカメラに収めた途端、私のデジカメは電池切れになってしまったのだった。永田岳の麓で、夕焼けから夜になっていくその間、自分も夜の中に溶けていくような感覚に陥りながら、シャッターを切り続けた。そしてまた、この世に朝がやって来るその間、朝がやって来るのを全身で感じながら、再びシャッターを切り続けた。西の永田岳、東からちょっと南よりの宮之浦岳。永田岳を眺め、宮之浦岳を眺め、また永田岳を眺める。刻々と移りゆく色に心奪われていた。地球が回り、世界の色が変わっていく間に、電池も刻々と減っていたのだった。なぜか「ぺ」と刻まれた宮之浦岳の三角点が、屋久島最後の一枚となる。永田岳が最高と言う同行者を信じ、電池の全てを永田岳でつぎ込んだことに、私はそれでも満足だった。 さて、宮之浦岳である。なぜ宮之浦岳が百名山で、永田岳が百名山ではないのか。それなのになぜ同行者は、永田岳を素晴らしいと言い、宮之浦岳を評価していないのか。それは深田久弥が屋久島へ遊んだとき、宮之浦岳の日が晴天で、永田岳の日が曇天だったから。それは同行者の宮之浦体験が曇天で、永田岳体験が晴天だったから。私は、晴れた永田岳に一票を投じるだろう。「日本百名山」を読みながら、しみじみと納得したのであった。 PR |
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